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【基本テキスト】経営組織論

経営管理

経営管理とは,企業が経営目標を達成するために,財務,資産,人事,情報などを管理
することです。

経営管理に用いる理論

効率よく効果的な経営管理を実現するために次のような理論を用います。

PDCAサイクル

Plan(計画),Do(実行),Check(評価),Act(改善)を繰り返し,業務改善をする手法です。仕事の基本的な考え方として多くの業務で応用されています。

OODAループ

意思決定と行動を「観察(Observe)」「仮説構築(Orient)」「意思決定(Decide)」「実行(Act)」で繰り返す理論をといいます。

PDCAサイクルが主に業務改善に用いる理論であるのに対し,OODAループは主に意思決定において用いられます。

リスクアセスメント

リスクアセスメントは,企業が抱えるリスクの特定や見積もりを行い,その中で優先度や対応策を決定する手順を指します。優先度は,リスクが発生する確率と発生した際の影響(被害)の大きさ,対応した際にかかるコストなどを元に決定します。

リスクアセスメントに実際のリスク対応の実施や管理を加えたものがリスクマネジメントになります。

BC(Business Continuity:事業継続性)

災害や事故など予期せぬ事態が発生した際に,残された経営資源を元に,事業を継続または再開することを指します。

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)

BC(事業継続性)を実現するための計画を指します。災害や事故などが発生した際に,最低限の事業活動を継続,または目標時間内での再開ができるようにするために,事前に策定される企業の行動計画のことです。

BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)

BCP(事業継続計画)の策定・導入,運用,フィードバック,修正などBC(事業継続性)の実現・体制の確保のためのマネジメントのことです。リスク把握のための分析から従業員への教育訓練まで幅広い活動となります。

HRM(Human Resource Management:人的資源管理)

HRMは,企業活動の中で,人材を資源として捉えて有効活用するための取り組みにあたり,労働者のニーズへの対応や報酬の調整,労使関係の安定化,適切な能力開発などを行うことで最適な人材管理を実現することを指します。

人材確保・維持への取り組み

転職が活発になり人材の流動性が高まった現在、多くの企業では、優れた人材の流出を防ぐリテンションの取り組みを進めています。リテンションは、元は「維持・保持」を意味する言葉ですが,企業が既存の人材を維持することとして用いられます。

ワークエンゲージメント

従業員が仕事に対しての熱意を持ち,仕事に没頭できるような充実した心理状態。また,そのための活力が維持できる精神状態であることを指します。リテンションに必要な要素として重要視されます。

MBO(Management by objestives:目標による管理)

社員自らが個別に目標を設定し,達成を目指す目標管理制度で,各年度末にその達成度を評価します。

タレントマネジメント

企業の人材活用の取り組みのひとつで,従業員の持つ特性・能力を活かす適材適所の人事配置や採用,リーダーの育成,評価・報酬などを最適化するものです。

ダイバーシティ

元々は多様性を意味する言葉で,企業活動においては性別や国籍,専門性など従業員の持つ多様性を活用して競争優位につなげる取り組みのことを指します。多くの従業員が自分の特性を活かした業務に就けることでワークエンゲージメントの向上にもつながります。

HRテック(HR Tech)

AIやクラウドサービスの活用など,テクノロジーを利用することで人的資源活用の効率化や質の向上を図るサービスです。

就業形態の多様化

インターネットやセキュリティ環境の進展や多様な働き方へのニーズ、新型コロナウイルスへの対応などをきっかけに、就業形態の多様化が進んでいます。

テレワーク
IT技術を活用した場所や時間の制約を受けない自由な勤務形態のことです。電子メールやグループウェア,クラウドなどを活用することで,自宅や外出先で業務にあたります。
テレワークには自宅で業務にあたる在宅勤務のほか,ネットカフェや飲食店などを利用するモバイルワーク,テレワーク向けに用意された近隣のサテライトオフィス勤務などがあります。
従業員のワークライフバランス改善などのメリットがある反面,労務管理の困難さやシステムやネットワーク環境の整備など経営上の留意点も存在します。

教育・研修制度

 企業では様々な教育・研修が行われます。教育手法として有名なものは次の通りです。

OJT(On-the-Job Training)

実際に仕事をしながら,上司や先輩社員から仕事を学ぶ,非常に実践的な教育手法です。

Off-JT(Off the Job Training)

外部講師による集合研修や技術訓練への参加,大学への留学などのトレーニングを指します。社外で学ぶことで,一般化された技能や知識について学ぶことが主な目的です。

ロールプレイング

役割(ロール)を演じる(プレイ)ことでコツや問題点に気付かせる手法です。

コーチング

教育担当者が対象者との対話によって目標達成につなげる手法です。質問を投げかけることで,従業員の自発的な行動を促します。

メンタリング

教育担当者が対象者との対話によって自らの経験などを伝えることで足りない知識や意識を植え付け,従業員の自立につなげる手法です。

メンタリングは、コーチングの前段階の教育に位置づけられることが多く,まだコーチングで具体的な解決法を導き出せない社員に効果的な教育手法になります。

CDP(Career Development Program:経歴開発計画)

従業員の考え方や視野を広げるために,ひとつの職種ではなく,多くの職種を経験させる能力開発を進めます。長期的に従業員を育成していく点が特徴です。

アダプティブラーニング
従業員ひとりひとりの能力に合わせた教育研修を提供することです。

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